撥音節に現れる単母音には-a、-i、-u、-ɛの4種類があります。
1. -aʔ
広口の母音です。開音節の-aよりも舌の位置が若干上がります([ä])。聴覚印象としては「あっ」と「えっ」に近くなる場合があり、-ɛʔと紛れることがあります。
2. -iʔ
狭口・前舌母音。開音節の-iよりも若干中央に寄ります([ɪ̈])。なお介子音-y-と共起する場合は発音および聞き取りが非常に難しくなりますので、聞き取り、発音の練習を繰り返しましょう。
3. -uʔ
狭口・後舌母音です。開音節の-uよりも若干中央に寄ります。
4. -ɛʔ
半狭口・前舌母音です。-aʔのところでも書いたように、若い人はこれを-aʔ [-äʔ]に非常に近い発音をする場合があり、その場合は-ɛʔと-aʔの区別がほとんどなくなっています。ただし一人の人の発音であっても語彙によって-aʔ [-äʔ]になりやすいものと、そうではないものとがあるようです。