東京外国語大学言語モジュール

1.2. 発音と文字の特徴

 ビルマ語の発音の特徴として(1) 声調、(2) 有気・無気の対立、(3) 無声化音が挙げられます。(1) 声調は音の高さやその変化のパターンによって意味を区別するシステムで、ビルマ語には3つの声調が区別されます。(2) 有気・無気とは、阻害音(4.1で説明します)にある区別で、発音の際に強い息漏れを伴う音(有気音)と息漏れがほぼない音(無気音)とが区別されます。(3) 無声化音とは、共鳴音(4.2で説明します)にある音で、共鳴音とは本来有声音なのですが、その有声音を発する直前に無声の音が現れるものです。有声の共鳴音と無声化した共鳴音はやはり意味の区別に関わります。(1) と(2)は東アジアから東南アジア大陸部、そしてインドにかけてよく見られる音声特徴ですが、(3)はわりと珍しい音で、同系統のチベット語やビルマ語に近い言語などに見られますが、他の言語にはあまりないようです。

 ビルマ語の表記にはビルマ文字を使います。ビルマ文字は南インド系の文字の流れを汲む文字で、基本となる子音字のまわりに、介子音、母音を表す記号を配して一つの音節を表します。これは全てのインド系文字に共通する特徴です。

 

【ビルマ語の子音字】

  無声無気音 無声有気音  有 気 音   有 気 音   鼻  音  

軟口蓋

破裂

က
kâ kʰâ ɡâ ɡâ ŋâ
歯茎摩擦
sâ sʰâ zâ zâ ɲâ
歯茎破裂
tâ tʰâ dâ dâ nâ
tâ tʰâ dâ dâ nâ
両唇破裂
pâ pʰâ bâ bâ(~pʰâ) mâ
その他
yâ yâ(~râ) lâ wâ t̪â
     
    hâ lâ ʔâ  

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