次に第1音節が促音調の場合について練習しましょう。
3. 第1音節が下降調の場合(1):促音節以外
日本語母語話者にとって、第1音節が鋭く下がる下降調をきちんと発音することは、少しきちんと意識しないとルーズな発音になりがちです。よくある間違いとして、最初の音節が低いところから始まってしまったり、高いところから始まっても、きちんと鋭く下がらなかったり(下がりきらない)といったものがあります。
なお最初に述べたように、第2音節が高平調の場合、開音節の第1音節が下降調ではなく低平調のように聞こえることがあります。
4. 第1音節が下降調の場合(2):促音節
第1音節が促音超の場合は、それが単母音の場合と、二重母音の場合の二つに分けるとわかりやすくなります。
4.1 単母音の場合
第一音節が単母音となる促音節の場合、下降する時間が短いうえに音節末尾が声門閉鎖音-ʔで聞こえなくなるため、完全に下がりきらないように聞こえたり、全く下がっていないように聞こえることがあります。
(人間の認知とは不思議なもので、実際のピッチを機械で測ると無音区間であるために聞こえがないのだが、そこがなんとなく「下がって」聞こえる、という効果があります。日本語にもこれはあります。)
4.2 二重母音の場合
第一音節が二重母音となる促音節の場合、単母音に比べると下降する時間があるので音節末尾が声門閉鎖音-ʔがあってもしっかり下降して聞こえるのですが、後ろに音節が続く場合は下降がほとんど聞こえないこともあります。規則的にそうなっているというよりはケースバイケースであるようです。