東京外国語大学言語モジュール

4.1. 阻害音(16種17音)

 阻害音obstruentとは音声学的には肺気流が口腔内で妨害されることにより発生する子音のことですが、ビルマ語学としては無声音voicelessと有声音voicedの対立があり、それらが音変化の対になっているタイプの子音群をいいます。無声音とは子音発音の際に声帯振動を伴わないもの、有声音とは声帯振動を伴うものです。日本語で言うなら、カナで濁点の付いたものが有声音、付かないものが無声音ということになります。

 

 さらに歯間破裂音t̪-(~d̪-)を除き、有気音aspiratedと無気音non-aspiratedが対立しますので、有声音と併せて3つの区別があることになります。

 以下がビルマ語の阻害音一覧になります。

 

   両唇破裂   歯間破裂   歯茎破裂   歯茎摩擦   後部歯茎破擦   軟口蓋破裂 
 無声有気音  pʰ- t̪- tʰ- sʰ- cʰ- [tɕʰ] kʰ-
 無声無気音  p- t- s- c- [tɕ] k-
有声音 b- (d̪-) d- z- j [dʑ] ɡ-

 

 

 

 阻害音の特徴として、ある環境の時に無声音(有気音・無気音)が有声音に変化する、という現象が見られます。有声化です。詳しくは9.1節「有声化」で取り上げます。

 

 次の小節では有気音と無気音、歯間閉鎖音について具体的に学習します。

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