19世紀末以降に主として英語から借用された外来語の一部に、促音節(の綴り)でありながら、下降調とはならず、低平調になるものが見られます。この低平調の促音節は下降調の場合と異なり、喉の緊張は見られず、末尾の-ʔがしばしば後ろの頭子音に同化したり、鼻音-ɴに変化してしまったりします。
綴り字上は促音節なので下降調となりそうですが、響きがだいぶ異なりますので、注意です。
このモジュールでは本来の下降調である促音節と区別するため、低平調の促音節には[ ̀]を添えて表します。
【参考】
加藤昌彦(2006)「現代ビルマ語の借用語に見られる低い促音節」加藤重広・吉田浩美(編)『言語研究の射程』pp.103-126. 東京:ひつじ書房.
1. 低平調となる促音節の例(1):-ʔが後ろの頭子音に同化してしまうもの
上の例〈လက်တင်〉が本来の促音調で[lɛʔtìɴ]と発音されると「肘掛け」という意味になります。
2. 低平調となる促音節の例(2):-ɴに交替するもの
3. 低平調となる促音節の例(3):少し複雑な例
音節の脱落や系音節母音の挿入など、少々複雑な変化を見せる例。