東京外国語大学言語モジュール

2.1. 音節構造
 ビルマ語の音節は主たる音節を形成する重音節(major syllable, heavy syllable)と、常に別の音節が後ろに続く軽音節(minor syllable, light syllable)があります。重音節は声調の区別を持ちますが、軽音節は声調を失っています。
 
 ビルマ語の音節を図式化すると以下のようになります。
 
・重音節Ci(Cm)V(Cf)/t
・軽音節Ci(Cm)ă
 
 Ciは頭子音(initial consonant)、Cmは介子音(medial consonant)、Vは母音(vowel)、Cfは末子音(final consonant)です。/tは声調(tone)で、この表記は声調が音節全体にかかることを意味します。上記の図式で丸括弧()に入っている要素は随意的な要素で、それが存在するものもあれば、存在しないものもあることを示しています。
 
つまりビルマ語の重音節には以下の4種類があることになります。
 

  Ci  

 (Cm) 

  V 

 (Cf) 

 /t 

 例

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 mí〈မီး〉「火」

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 myí〈မြေး〉「孫」

×

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 míɴ〈မင်း〉「王」

 myíɴ〈မြင်း〉「馬」