東京外国語大学言語モジュール

解説


「ピンイン」を見ると,ラテン字母の他に,母音字の上にˉˊˇˋ等の符号が付いているのに気がつくでしょう。これは「声調」を表す符号です。声調とは一種の高低アクセントですが,中国語の声調は,一つの音節の中で声の高さが上がったり下がったり,あるいは平らなままでいたりするものです。同じような発音でも声調が異なると全く違う意味になるので注意しなければなりません。

中国語には4種類の声調があり,それぞれ第一声,第二声,第三声,第四声と呼ばれます。ピンインではそれぞれˉˊˇˋという符号で表します。第一声は高く平らに,第二声は上がり調子で,第三声は低く平らに,第四声は下がり調子で発音します。図式化すれば以下のようになります。

日本語との対比: 日本語にも「ハシ(橋)」と「ハシ(箸)」のようにアクセントが異なると違う語になる場合があります。しかし日本語のアクセントは「ハ」と「シ」の相対的な高低で決まるので,単に「ハ」と言っただけでは,それが「橋」の「ハ」なのか「箸」の「ハ」なのか区別できないことがあります。それに対し,中国語の声調はある1音節を発音するだけでそれが第何声かがわかります。
日本語のアクセントの高低の幅と比べると,中国語の声調の高低の幅はずっと広いです。高いところは思いきり高く,低いところはできるだけ低く発音するように練習しましょう。