東京外国語大学言語モジュール

5.4. m, n
 mは有声両唇鼻音[m]で、nは有声歯茎鼻音[n]で実現します。音素はそれぞれ/m/と/n/になります。
 ただし、/n/は同化によって異音が生じます。軟口蓋破裂音[k][g]の直前では逆行同化によって有声軟口蓋鼻音[ŋ]で実現します。また、両唇破裂音[p][b]および有声両唇鼻音[m]の直前では[m]で実現する場合があります(ここでの音声は[n]のままです)。
 軟口蓋破裂音の直前で実現する[ŋ]は/n/の音環境における相補分布が成立した条件異音といえますが、両唇破裂音および両唇鼻音の直前で実現する[m]は任意ですので自由異音であると考えられます。
meme, nere, mal, nal
yamaç, yanak
memnun, anne
cam, can
inmek, İstanbul
hangi, yangın