東京外国語大学言語モジュール

5.10. h
 hは基本的に無声声門摩擦音[h]で実現します。調音位置は個人差があり、無声軟口蓋摩擦音[x]~無声口蓋垂摩擦音[ϰ]~無声声門摩擦音[h]の幅があります。また、iを含む音節でiの前後に来る場合に無声硬口蓋摩擦音[ç]で実現することもあります。音素は/h/になり、上記の自由異音を含みます。
 /h/は音が明瞭に実現する場合と、脱落する場合とに大別できます。閉音節末で無声摩擦音・鼻音・側面接近音の前ではhの直前の母音が長音化して実現しやすくなっています。音節頭では無声破裂音・無声破擦音・無声摩擦音・母音の直後で脱落する場合があります。それら以外の音環境や語頭では[h]で実現します。
hava, hiç, hurma, hükümet
ilham, ishal, şüphe
daha, tohum
sahte, ahçı, mahsus, kahve
sabah, tarih