東京外国語大学言語モジュール

2.1. 現行文字の成立
 1923年にオスマン帝国が崩壊しトルコ共和国が建国されました。1928年にトルコ共和国初代大統領であるムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Atatürk)によって、政教分離政策として文字改革が行なわれ、それまで使われていたアラビア文字からラテン文字へと表記が変更されました。用いられる文字は29種×大小2種で58通りの文字です。
 以前はアラビア文字という子音型文字(子音しか書き表さない文字)でしたが、単音型文字(子音も母音も共に書き表す文字)になったために誰にでも読みやすい文字となりました。また、音と文字はほぼ1対1対応しているといって差し支えありません。従って、トルコ語における音素体系と文字ともほぼ一致しているという点で優れており、15歳以上の識字率は8割以上といわれています。