東京外国語大学言語モジュール

解説

   一般的に、アクセントは語によって違いますので、1つ1つ覚えていくしかありません。そのため、アクセントを習得するには、1つ1つの単語のアクセント核を聞き取れる力を先に習得する必要があります(1.8)
   しかし、アクセント核がどこにあるかを大体予測できる場合もあります。外来語のアクセントはその例です。外来語のアクセントにはある程度の規則があります。その規則を覚えていれば、ある程度の予測ができて、習得も楽になります。規則に当てはまらないものは、例外として覚えるようにしましょう。
   外来語は、普通語末から3拍目にアクセント核が来ます。(例: 「ラダ」、 「ナナ」、 「ルク」、 「ラス」、 「ニス」、 「ルフ」、 「テル」、 「ナダ」、 「ンド」、 「イツ」、 「ワイ」、 「ーマ」、 「ール」、 「ック」、 「ック」、 「ンドバッグ」 「ンジ」、 「ート」、 「ート」、 「チョコレート」、 「イスクリーム」、 「ンドネシア」、 「ーストラリア」)
   ただし、語末から3拍目が特殊拍(「ッ」・「ン」・「ー」、二重母音の第二要素)の場合は、アクセント核が前の拍に移ります。(この現象について、詳しいことは理論編を参照してください。)(例: 「ッカー」、 「キャンパス」、 「ーパー」、 「ーター」、 「レベーター」、 「イトル」)
   もともと2拍しかない単語は語末から3拍目の音がないので、語末から2拍目になります(つまり、頭高型アクセントになります)。(例: 「」、 「」、 「」、 「」、 「」、 「」)
   なお、日本語に古くから入っていて、普段よく使われる単語は、平板型アクセントになっているものが見られます。(例: 「アノ」、 「ラス」、 「ップ」、 「メリカ」、 「ーブル」、 「ールペン」)
   この他、若者の間で名詞を平板型アクセント化する傾向がありますが、外来語アクセントにも同じ傾向が見られます。下の例は、従来-3型アクセント(語末から数えて3拍目にアクセント核を置く。特殊拍の場合はその前の拍)だったものです。(例: 「ラマ」、 「ラブ」、 「ット」、 「ーティー」、 「ニーカー」、 「ザイナー」)
   また、そのまま原語のアクセントで発音するというものもあります。(例: 「クタイ」、 「クシー」、 「イロット」、 「クセント」、 「ストラン」、 「イキング」、 「ンフレット」、 「ゼント