ラ行の音は舌の先を上の歯茎の裏に軽くつけてすぐに離します。まず、ゆっくり「ら、り、る、れ、ろ」と発音したときに、舌がどこにもついていない人は、「舌の先を上の歯茎の裏につける」ということを忘れないようにしてください。
舌の先を上の歯茎の裏につけてラ行音を発音している人でも、ナ行、ダ行、ラ行の発音が混乱してしまうことがあります。たとえば、ダ行音子音とラ行音子音を混同したり(例:ハタラク(働く)→ハタダク)、ラ行音子音をナ行音子音にしたり(例:サヨウナラ(さようなら)→サヨウナナ、ライゲツ(来月)→ナイゲツ)、ラ行音子音を脱落させたり(例:レンラク(連絡)→エンラク)、ナ行音子音やダ行音子音をラ行音子音にしたりする(例:コドモ(子供)→コロモ、オメデトウ(おめでとう)→オメレトー、ダンシ(男子)→ランシ、ドロボー(泥棒)→ロロボー、ハネル(跳ねる)→ハレル、ナンボク(南北)→ランボク)などの混乱が聞かれます。
ナ行、ダ行、ラ行の発音は、どの音も舌の先がつく位置がほとんど同じなので、混乱がおきます。これらの音は舌の先のつけ方が少し違うだけです。ラ行では、まず舌の先はどこにもつけない状態にしておいて、そのあと舌の先で上の歯茎の裏を軽く弾いてすぐに離します。ナ行・ダ行では、最初から舌の縁全体を口蓋・上の歯の裏側あたりにしっかりつけて閉鎖を作っておき、その後一気に離します。