東京外国語大学言語モジュール

解説

   アクセントは単語レベルでの音の高さの変化であるのに対して、イントネーションは文レベルでの音の高さの変化です。イントネーションによって、文の意味が変わったり、感情を表したりすることができます。ここでは、疑問文イントネーションについて説明します。
   日本語は文中の単語のアクセント型を保持したまま、文末の最後の拍だけを急上昇させることで疑問を表わしています。「〜です」「〜ます」を疑問文にする場合は、文末に「か」を付けますが、「か」を付けても、「か」で音の高さの急上昇がなければ、疑問文になりません。例えば、文末の「か」が上昇する 「そうですか」 は疑問文ですが、「か」が上昇しない 「そうですか」 は 「あ、そうですか。」 というようなあいづち、 「あ、そうですか。そうだったんですか。」 というような納得、 「あ、そうですか。残念ですね。」 というような落胆などの意味になります。「行きますか」の場合でも、「か」を上昇させないと、 「あっ、そうですか。行きますか。分かりました。」 というような確認、 「皆がそろいましたので、そろそろ行きますか。」 というような提案などの意味になります。いずれの場合も、「か」が上昇しない場合は疑問文には聞こえません。