東京外国語大学言語モジュール

3.1. アクセント(1)
 インドネシア語では,アクセントに位置によって語の意味を区別することはありません。ただし,何語かのまとまりを考えてみると,ほぼ決まった位置にアクセントが現れます。そのまとまりは,複数語からなることも1語からなることもあります。ここではこの「語のまとまり」をポーズグループと呼ぶこととします。基本的には、1ポーズグループ中にはアクセントが1つだけ現れます。
 ポーズグループのどの位置にアクセントが来るかは,そのポーズグループの文中での位置,役割によって決まります。「ポーズグループの最後の語の後から2番目の音節」と「ポーズグループの最後の語の最後の音節」の2つのパターンが最も基本的なパターンとなります。以下,「ポーズグループの最後の語の後から2番目の音節」を「第2尾音節」,「ポーズグループの最後の語の最後の音節」を「尾音節」と呼ぶことにします。
 ここではまず,第2尾音節にアクセントがくるパターンの発音を練習しましょう。以下の図の赤線は,アクセントのイメージです。直感的にアクセントを捉えやすいようにイメージ化したもので,あくまでも補助的なものと考えてください。
 
 例: buku saya(本 私 → 私の本)
 
buku saya (本 私 → 私の本)
buku(本)とsaya(私)の2語から成るポーズグループです。第2尾音節,つまり”saya”の”sa”にアクセントがあります。その部分で,ピッチ(声の高さ)が急激に上がり,その後下降します。このパターンが最も基本的なもので,1文中に必ずこのパターンが1つ出てきます。また,語や句(フレーズ)を単独で発話する場合は基本的にこのパターンで発話します。
練習 イメージを参考に,モデルに合わせて発音しましょう。
1
buku (本)
2
 
itu (それ,その)
3
 
buku itu (本 その → その本)
4
 
adik saya (弟・妹 私 → 私の弟・妹)
5
 
buku adik saya (本 弟・妹 私 → 私の弟の本)