東京外国語大学言語モジュール

7.2.2. 複合子音字
 前節で,同じ発音で声調だけが異なる高子音と低子音の文字のペアがありました。ところが一方で,そのような高子音のペアを持たない低子音の文字もあります。それらは下の左側に示した6つの文字です。
 子音字は、先の基本子音字のほかに、これらの文字とペアを持たせるような形で,下の右側に示した6つの複合子音字があります。高子音の ຫ と低子音の6つの文字を組み合わせて表す形の文字です。
 例えば、7.2.1.の一覧表で,1行目の2番目の高子音「ຂ」と3番目の低子音「ຄ」は,同じ/kh/で,声調だけが異なるペアですが,4番目の低子音「ງ」には対応する高子音の文字がありません。この「ງ」に対応する高子音の文字が複合子音字「ຫງ」というわけです。
 複合子音字は次の6つです。これら複合子音字は全て高子音のグループです。
 
 低子音字 と 高子音字
/ŋ/  ງ : ຫ + ງ =  ຫງ
/ɲ/  ຍ : ຫ + ຍ = ຫຍ
/n/  ນ : ຫ + ນ =  ໜ, ຫນ
/m/ ມ : ຫ + ມ =  ໝ, ຫມ
/l /  ລ : ຫ + ລ =  ຫຼ, ຫລ
/w/  ວ : ຫ + ວ = ຫວ
 最後の3つは現在,教育省ではそれぞれ左の合体形の方 ໜ, ໝ, ຫຼ を使用しています。