東京外国語大学言語モジュール

7.3.1. 基本母音符号
 基本母音は9つで,それぞれ長短の対立があるので,基本的な字形は9×2で合計18になります。
 以下に母音符号の一覧表を挙げます。x部分は頭子音字の位置を,+部分は末子音字の位置を示します。各々の文字をクリックして発音を確かめましょう。
 上の( )内の文字は,末子音があるときに用いる字体です。例えば,x部分は頭子音字,+部分は末子音字の位置を示しているとすると,
  (例)
  末子音がないとき:xໍ:/ɔɔ/
ກໍ /kɔɔ/「〜も」
  末子音があるときxອ+:/ɔɔ/
ກອງ /kɔ̌ɔŋ/「太鼓」
この場合,  xໍも xອ+ も/ɔɔ/を表しますが,母音の後に末子音が続くときは  xໍ ではなく,xອ+ の文字の方を使用することになります。
 
 また,短母音字の発音欄に必ず(ʔ)がありますが,それは末子音字がなく短母音字で終わっている音節の場合は,原則として常に末尾に/ʔ/を伴うという意味です。例えば,
ຂຸ  /khúʔ/「落ちる」
ຂຸດ /khút/ 「掘る」
  この場合,ຂຸ は末子音字がないので最後に/ʔ/を伴いますが,ຂຸດ は別の末子音を表す末子音字ດ/t/があるので,声門閉鎖音/ʔ/を伴いません。