東京外国語大学言語モジュール

4.1.3.1. 音の弁別、発音方法
[e], [ø], [o]は、音節にアクセントが置かれ、母音で終わる音節(=開音節)のときに、常に同じ音色を保ち、お互いに対立し区別されます。この3つの母音音素は、開口度がやや狭いという点が共通しています。
/e/
唇を両側に強く引いて、舌の前方を盛り上げるようにし、[i] よりも少し口の開きが大きくなります。日本語のエよりも狭めに発音しましょう。
/ø/
舌の形は[e]を発音するときと同じですが、唇を丸めます。
/o/
[e],[ø]よりも舌を後方へ引き上げます。下の歯茎には舌先が付かないように注意しましょう。日本語のオよりも唇の丸めが強くなります。
[参考]
たとえば、thé [te] 「紅茶」と tôt [to] 「早く」は、[e] と [o] の母音の音色の違いだけで区別されます。音韻論では、このような場合、母音音素 /e/は母音音素 /o/ に「対立する」と言います。そして対立項としての音素は、[ ] ではなく、/ / に入れて表記するのが慣例です。