東京外国語大学言語モジュール

5.1. 有気音と無気音
 まず、有気音と無気音の区別を練習します。
  [用意するもの:ティッシュペーパー]
 
 音節頭の無声閉鎖音 [p] [t] [c] [k] にこの区別があります。こういった音は、それぞれ口の中のどこか(唇、歯茎、喉など)をとじて息の流れをさえぎってから、再びあけて息を出して発音します。
 あけた後息が出て、それから次の音(母音)が発音されるのが有気音で、間に息が出ないですぐに母音が発音されるのが、無気音です。
 実際に音を聞いてみると、有気音の方が息が出ているのがわかるでしょうか。
 この音の区別は、ティッシュペーパーや薄い紙を口の前にたらしておいて、
  1)有気音を発音する時には激しく揺れ、
  2)無気音を発音した時には、微動だにしない、
となるように練習できます。(口の前に手をおいても息の出方がわかります。)
ប៉ា  ផា [paː, pʰaː ] 父、布
តា  ថា [taː, tʰaː ] 祖父、~と(言う)
ចារ  ឆា [caː, cʰaː ] 書く、炒める
ការ  ខារ [kaː, kʰaː ] 用事、巻き上げる
 ふだん話している日本語の発音によって、有気音に苦労する方と、無気音に苦労する方がいます。
 慣れるまでしばらく練習が必要ですが、自分が発音している音がどちらの音か常に意識してください。
 なお、この区別が大切なのは、音節頭で後ろにすぐ母音が続く時だけです。音節の最後にあったり、二重子音の時には気にする必要はありません。
(実際には、二重子音の時には、第二の子音がrなら無気音、それ以外は有気音で発音されますが、それによって意味の違いはありません)