東京外国語大学言語モジュール

ロシア語の表記にはキリル文字が用いられています。キリル文字はロシア語のほか,ウクライナ語,ベラルーシ語,ブルガリア語,マケドニア語,セルビア語や,旧ソ連の諸言語,モンゴル語などの表記に用いられています。
ロシア語に用いられるキリル文字(仮に「ロシア文字」と呼ぶことにします)は33文字からなり,英語のアルファベットと同じように,それぞれに大文字と小文字があります。ただし,大文字と小文字で形が異なるのはА  а,Б б,Е е,Ё ёの4つの文字で,残りの文字は大きさが異なるだけですので,覚えるのは難しくありません。初めてロシア語を学習する方は,見慣れない文字が多いことに圧倒されるかもしれませんが,よく見ると英語のアルファベットによく似ているものや,数学に用いるギリシャ文字に似ているものがあることに気付かれると思います。
最初は文字とその発音を覚えるのは大変かもしれませんが,ロシア文字は基本的に書いた通りに発音します。英語のように綴りと発音がずれることは例外的であり、普通はほとんどありません。ですから,文字とその発音の規則,それからアクセントの位置を覚えれば,どんな単語でも発音できるようになります。