2.2のyes-no疑問文のイントネーションの項や
2.5の不完全疑問文の項では,声の上げ下げ(ピッチ変化)を行う語の位置は,
疑問の中心となる語の位置を示すということを学びました。以後,ピッチ変化が行われる位置を「イントネーションの中心」と呼び,それが置かれる語を太字で示します。
ここでは,wh疑問文で中心の置かれる語を変え,特定の語に強調を置くイントネーションを学びます。A〜Cの文を聞いてください。
A |
|
Чтопьёт Ната́ша? |
(ナターシャは何を飲んでいるの?) |
B |
|
Что пьёт Ната́ша? |
(ナターシャは何を[食べているのではなく]飲んでいるの?) |
C |
|
Что пьёт Ната́ша? |
([ターニャではなく]ナターシャは何を飲んでいるの?) |
|
|
Wh疑問文で中心の位置を変える時は,2型で発音されます。疑問詞に中心を置いたAは2.3
で触れたように「何?」「どこ?」などを強めたようなニュアンスを持ちます。пьёт(飲む)に中心を置いたBは,「ほかの動作(例えば食べる)ではなく飲んでいるのは」のよう
なニュアンスを持ちます。Ната́ша(ナターシャ)に中心を置いたCは,「ほかの人(例えばターニャ)ではなくナターシャは」のようなニュアンスを持ちます。