21世紀COEプログラム 言語運用を基盤とする言語情報学拠点(2002-2006年度)

TUFS外国語研修 プログラム

計画


多言語によるTUFS外国語研修プログラムを実施する。本プログラムは大学院生によって運営され,拠点形成事業担当者がその管理にあたる。具体的には,東京外国語大学大学院のサマースクールへの教材の提供,教材・教案作成などの点での支援を積極的に行う。大学院生はサマースクールを通じて外国語教育の実習を行う。

東京外国語大学大学院サマースクールは,大学院生が夏期休業中に実施する一般向けの公開語学講座であり,20年以上の実績があり,2004年度はスペイン語・イタリア語・フランス語・ロシア語・ポーランド語・英語・ドイツ語の7言語が開講された。

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TUFS外国語研修プログラムによるサマースクール支援


2003年度 フランス語,スペイン語,ロシア語で,TUFS言語モジュールを副教材の一部として利用した。ドイツ語は,副教材としての利用にとどまらず,2講座で会話モジュールを教授内容の中心にすえ,それをもとに教科書・ワークシート・副教材を作成した。授業は,教室とマルチメディア教室で行い,グループ学習と個人学習を効率的に組み合わせ,受講者の言語運用・言語知識獲得の両方に配慮を行った。
2004年度 フランス語,ドイツ語で,TUFS言語モジュールを副教材の一部として利用した。英語の1講座は,会話モジュールで扱われている「自己紹介」「提案する」「妥協する」「助言する」「さよならを言う」の5つの言語機能を授業中に扱った。授業の前半では、e-learning教材・会話モジュールを受講生に実際に使ってもらい、よく使われる会話表現を、「聞くこと」「話すこと」を中心に練習した。後半では、重要となる文法の解説とともに、ゲームなどの活動を行い、学習内容への理解をさらに深めた。
2005年度 「フランス語の発音」という授業では,発音モジュール(理論編)と会話モジュールを副教材として利用した。 まず発音モジュールの解説ページを利用して,単音やイントネーションの解説を行った後,付属の練習問題で知識を確認した。発音の基礎を学習した後に, 会話モジュールも利用し,基本的な文の発音を練習するとともに,会話表現を身につけた。受講生からは, サマースクール終了後にもモジュールを使用して引き続き自宅で発音を学ぶことが出来ることや,練習問題が面白く, かつためになったなど,積極的な評価を得ることができた。
2006年度 21世紀COEの最終年度にあたる本年は,授業でのTUFS言語モジュールの利用以外に,サマースクール等で言語モジュールを利用し,学習者から教材評価を受けることにした。サマースクールを運営する院生に呼びかけたところ,英語,スペイン語,フランス語で利用することが決まった。またカンボジア語については専攻語学生に利用してもらった。利用方法は異なるが,最後にアンケート調査を行い,様々な評価・意見を得ることができた。この言語モジュールの利用報告書は,『言語情報学研究報告』の第15号, pp.553-663に掲載された。

TUFS外国語研修プログラムは,上記のサマースクールにおける言語モジュールの利用,教材・教案作成および教室準備等の点で講師を支援した。