東京外国語大学言語モジュール

助動詞を含む文

具体的な例を見てみましょう。

1) 動詞的助動詞

1.1. ຢາກ(~したい)

(1)ຂ້ອຍຢາກໄປເມືອງລາວ
(私はラオスに行きたい。)
(2)ຂ້ອຍບໍ່ຢາກກັບເມືອຍີ່ປຸ່ນ
(私は日本に帰りたくない。)
(3)ເຈົ້າຢາກໄປເມືອງລາວບໍ?
(あなたはラオスに行きたいですか?)
―ຢາກ
(行きたいです。)
―ບໍ່ຢາກ
(行きたくありません。)

1.2. ເຄີຍ(~したことがある)

(4)ຂ້ອຍເຄີຍໃຊ້ເຄື່ອງນີ້
(私はこの機械を使ったことがある。)
(5)ຂ້ອຍບໍ່ເຄີຍໄປຫຼວງນ້ຳທາ
(私はルアンナムターに行ったことがない。)
(6)ເຈົ້າເຄີຍກິນອາຫານລາວບໍ?
(あなたはラオス料理を食べたことがありますか?)
―ເຄີຍ
(あります。)
―ບໍ່ເຄີຍ
(ありません。)

1.3. ຕ້ອງ(~しなければならない)

(7)ຂ້ອຍຕ້ອງໄປ
(私は行かなければならない。)
(8)ເຈົ້າບໍ່ຕ້ອງມາ
(あなたは来なくてもいい。)
(9)ລາວຕ້ອງໂທບໍ?
(彼が電話しなければなりませんか?)
-ຕ້ອງ
(しなければなりません。)
-ບໍ່ຕ້ອງ
(しなくてもいいです。)

1.4. ຄວນ(~すべきである)

(10)ລາວຄວນອ່ານປຶ້ມທຸກມື້
(彼は毎日本を読むべきだ。)
(11)ບໍ່ຄວນເຮັດແນວນັ້ນ
(そのようなことをすべきではない。)
(12)ຄວນຕິດຕໍ່ບໍ?
(連絡すべきですか?)
―ຄວນ
(連絡すべきです。)
―ບໍ່ຄວນ
(連絡すべきではありません。)
2) 法助動詞

2.1. ອາດຈະ(~かもしれない)

(13)ລາວອາດຈະດີໃຈ
(彼女は喜ぶかもしれない。)
(14)ອາຈານອາດຈະບໍ່ຮູ້
(先生は知らないかもしれない。)

2.2. ຄືຊິ(多分~だろう)

(15)ເຮັດແນວນີ້ລາວຄືຊິຫົວ
(こうすると彼女は多分笑うだろう。)
(16)ລົດເມຄືຊິບໍ່ມາ
(バスは多分来ないだろう。)

2.3. ຄົງຈະ(きっと~だろう

(17)ມື້ອື່ນຝົນຄົງຈະຕົກ
(明日、きっと雨が降るだろう。)
(18)ລາວຄົງຈະບໍ່ຄຽດ
(彼はきっと怒らないだろう。)
法助動詞は、話し手の判断や気持ちを表す助動詞であることから、動詞的助動詞と違って、聞き手に「はい」「いいえ」の答えを要求する諾否疑問文はあまり使われません。これは、日本語で「あなたは多分、食べるでしょうか」と言わないのと同じです。「あなたは多分、食べますよね」というように、「~でしょう?」と話し手がある程度予測を立てていて、確認のためにたずねる形の付加疑問文は使います。例えば、
(19)ລາວອາດຈະມາແມ່ນບໍ? (ລາວອາດຈະມາບໍ?は一般には使わない)
(彼は多分来ますよね。)
―ເຈົ້າ, ແມ່ນ
(はい、来ます。)
―ບໍ່, ບໍ່ແມ່ນ
(いいえ、来ません。)
―ເຈົ້າ, ອາດຈະມາ
(はい、多分来ます。)
―ບໍ່, ອາດຈະບໍ່ມາ
(いいえ、多分来ません。)