まず,存在詞の尊敬形を見てみましょう。尊敬の対象が人か物事かによって存在詞の尊敬形が異なります。
存在詞
人 |
있다(いる) 없다(いない) |
계시다(いらっしゃる) 안 계시다(いらっしゃらない) |
物事 |
있다(ある) 없다(ない) |
있으시다(おありだ) 없으시다(おありでない) |
尊敬の対象が人のとき,つまり日本語の「いる」にあたる存在詞には特殊な尊敬形계시다(いらっしゃる)を用います。계시다の発音は[게시다]です。「안녕히 계십시오((その場に残る人に)さようなら)」にこの계시다が用いられていますね。これは「お元気で(その場に)いらっしゃって下さい」という意味なのです。「いない」にあたる存在詞については,否定の副詞안を用いて,안 계시다(いらっしゃらない)と言います。
尊敬の対象が物事のとき,つまり日本語の「ある,ない」にあたる存在詞の尊敬語は있으시다[이쓰시다](おありだ),없으시다[업쓰시다](おありでない)と言います。
ところで,自分より目上の人を尊敬の対象としましすが,日本語とは異なり,身内であっても目上であれば尊敬語を用います。例えば,自分の父母や祖父母,自分の勤め先の上司なども尊敬の対象になります。そのため,家族以外の人に自分の両親の話をするときも尊敬語を用います。日本語では謙譲語を用いるところですね。
次に指定詞の尊敬形を見てみましょう。
指定詞
이다(だ) | 이시다(でいらっしゃる) |
아니다(ではない) | 아니시다(ではいらっしゃらない) |
이시다は母音で終る名詞の後で이がしばしば省略されます。