東京外国語大学言語モジュール

104 : -(으)ㄹ語基式語幹式併記式

-(으)ㄹはこれから起こり得る動作やあり得る状態を表す冠形詞形の語尾です。

 

動詞 母音語幹 가다(行く) 갈(行くだろう~)
ㄹ語幹 놀다(遊ぶ) 놀(遊ぶだろう~)
子音語幹 먹다(食べる) 먹을(食べるだろう~)
形容詞 母音語幹 크다(大きい) 클(大きいだろう~)
ㄹ語幹 멀다(遠い) 멀(遠いだろう~)
子音語幹 작다(小さい) 작을(小さいだろう~)
存在詞 있다(いる,ある) 있을(いるだろう~,あるだろう~)
없다(いない,ない) 없을(いないだろう~,ないだろう~)
指定詞 이다(だ) 일(だろう~)
아니다(ではない) 아닐(ではないだろう~)

 

また,-었-にも付き,過去にそうだっただろうと思われることを表します。

 

했다(した) 했을(しただろう~)
(語幹)母音語幹には語尾-ㄹを付ける。ㄹ語幹の場合はㄹの脱落した語幹に語尾-ㄹを付ける。子音語幹には語尾-을を付ける。

-(으)ㄹはその事柄が現在のところまだ確定しておらず,話し手は自らの推量や判断に基づいて述べます。この点で-(으)ㄹは,事柄をその通り描写する-는(Step102)と-(으)ㄴ(Step103)とは区別されます。

 

話し手自らの推量・判断に基づくことから-(으)ㄹの意味には幅があり,推量,予定・意図,可能性,義務などを表します。

 

なお,-(으)ㄹで修飾される体言が平音で始まるときはその平音が濃音化します。

(1)서울에 갈 사람[싸람](ソウルに行く(だろう)人)(推量),(ソウルに行く(つもりの)人)(予定・意図)
(2)읽었을 책(読んだ(であろう)本)(推量)
(3)앉을 자리[짜리](座る(ことのできる)席)(可能性)
(4)할 일[할릴](やる(べき)こと)(義務)

것を修飾するときは「~するに値する物」の意味で「~すべき物」を表します。

(5)살 것[껃](買う(べき)物),볼 것[껃](見る(べき)物),고칠 것[껃](直す(べき)物)

また,것は総称的に「~物」を表すときにも用いられます。

(6)먹을 것[껃](食べ物),마실 것[껃](飲み物)

때(とき)を修飾するときは-(으)ㄹを用いるのが一般的です。過去の「~したとき」は-(으)ㄴを用いず,-었을 때と表します。

(7)만날 때(会うとき),만났을 때(会ったとき)
(8)젊을 때(若いとき),젊었을 때(若かったとき)