東京外国語大学言語モジュール

068: 受動文 (1) ― 現在形と過去形

 受動文の例文をいくつか挙げておきます。
 
(9)
Hier wird bald eine Grundschule gebaut. 
ここにもうすぐ小学校が建てられる。
 
(10)
Die Grundschule wurde vor einem Jahr gebaut. 
小学校は1年前に建てられた。
 
(11)
Der Tisch wurde gedeckt und das Essen wurde aufgetragen. 
テーブルに食器が並べられ,食事が運ばれてきた。
 
(12)
Die Zeitschrift wird von vielen Studenten gelesen.
その雑誌は多くの学生に読まれている。
  受動文は,行為の主体「誰が」よりも行為の対象「何を」に注目し,これを主語として組み立てた表現です。たとえば (9) や (10) は「誰が(建てるか・建てたか)」は問題とせず,「学校が(建つ・建った)」ことを表しています。(11) も「誰が(並べ,運ぶか)」は視野の外に置き,「何を(並べ,運ぶか)」だけを表しています。また (12) には「誰が(読むか)」が表されていますが,全体としては「その雑誌はどういう雑誌か」という表現,すなわちこれも行為の対象に注目した表現だと言えます。
 なお,従属文では受動の助動詞 werden は過去分詞の後に置かれます。
 
(13)
Wissen Sie, wann hier eine Grundschule gebaut wird? 
いつここに小学校が建てられるかご存知ですか。
 
(14)
Er behauptet, dass die Zeitschrift von vielen Studenten gelesen wird.
その雑誌は多くの学生に読まれていると彼は主張する。