東京外国語大学言語モジュール

048: 過去完了形

 過去完了形に関して注意が必要な例を見ておきましょう。まず,(3) の現在完了形の文と (4) の過去完了形の文の意味はどう違うのでしょうか。vergessen は「忘れる」という意味の vergessen の過去分詞ですね。
 
(3)
Ich habe es ganz vergessen. 「私はそれを忘れる」の現在完了形
 
(4)
Ich hatte es ganz vergessen. 「私はそれを忘れる」の過去完了形
  現在完了形は「完了したことを現在の立場から表す」のが基本です (→ステップ46[解説])。従って (3) は現在の立場から見て「それを忘れてしまった」と言っているので「今は覚えていない」ということになります。それに対して過去完了形は(間近の過去も含めて)過去の時点に身を置いて「(その時は)それを忘れていた」と言っているので,逆に「今は思い出した」ということになります。
 nachdem は「~した後で」という意味の従属接続詞ですが,nachdem で始まる従属文は過去完了形にするのが普通です。
 
(5)
Nachdem sie das Buch gelesen hatte, fuhr sie nach Hause. その本を読んだ後で彼女は家に帰った。