東京外国語大学言語モジュール

仮定

1. 「もし~だったら」
 「もし仮に~だったら」と現実とは違うことを仮定して述べる場合は law を使います。
لو كنت بمحلّي شو رح تساوي؟
(貴男が私の立場だったら、どうしますか。 (語彙モジュール))
[law kənt b-maħall-i ʃuu raħ-tsaawi]
 law によって導かれる仮定節は<law+過去形>が基本です。動詞現在形や動詞のない仮定節は「~だったらなぁ」というようなニュアンスを含んできます。
 
يا ريت لو بتشلح من رجلك.‏
靴は脱いでもらいたいのですが。
ya reet law btəʃlaħ mən rəʒl-ak
会話モジュール34「しないでくれと言う」)
 
この文では law の後に<b-動詞現在形> btəʃlaħ 「貴男が(靴を)脱ぐ」を続けることにより、婉曲的な依頼の表現になっています。
 
 次は動詞のない仮定節の例です。
لو الموضوع بإيدي بخدمك بعيوني. بس الموضوع مو بإيدي.‏
(私の手に負えることなら何とかするのですが、私の手には負えないんです。)
[law əl-mawDuuʕ b-ʔiid-i bəxdm-ak b-ʕyuun-i. bass əl-mawDuuʕ muu b-ʔiid-i]
(ドラマ『Spot Light』第6部, 第2話より)
 
2. 「もし~だったら…だったのに」
 「もし仮に~だったら…だったのに」と述べる場合は、<law 動詞過去形 + kaan 動詞過去形>の文型を使います。
لو ما كنت متجوّز كنت تجوّزتها.‏
(私がまだ結婚してなかったら、彼女と結婚したのになぁ。)
[law maa kənt mədʒawwez kənt dʒawwazt-a]
 
3. 「~がなかったら」
 「もし~がなかったら」と述べるには、<law-la + 名詞 / law-laa-接尾代名詞>の文型を使います。
لولا الولاد كنت تركت زوجي.‏
(子どもがいなかったら、夫を捨ててたわ。)
[law-la l-wlaad kənt tarakt zooʒ-i]
 
4. 「たとえ~ても」
 「(たとえ)~ても」と述べるには、<w-law / ħatta law + 動詞過去形>の文型を使います。
الولد ولد ولو صار قاضي بلد.‏
(国の裁判官になっても、子どもは子ども。 (語彙モジュール))
[l-walad walad w-law Saar ʔaaDi balad]
ما رح إندم حتّى لو فشلت.‏
(たとえ失敗しても、後悔しません。)
[maa raħ-ʔəndam ħatta law faʃalt]