東京外国語大学言語モジュール

Step1 : 小辞と呼ばれる副詞

 基本文1における小辞の位置について学習しましょう。
 
1)基本文1に小辞が1つある場合
 小辞は原則として文中で前から2番目の位置にきます。したがって、基本文1に現れる小辞が1つだけのときには、自動的に前から2番目の位置、つまり述語と主語の間にきます。
 
          〈述語〉  +  〈小辞〉  +  〈主語〉
 
Matanda na si Mang Sergio.
セルジオさんは既に年老いています。
Bata pa si Tony.
トニーはまだ若いです。
Mag-ingat po kayo.
お気をつけください。
Kalatsutsi ba ito?
これはプルメリアですか。
 
2)基本文1に2つ以上の小辞が同時に現れる場合
 まず、1音節と2音節のものが混在する場合は、1音節のものを前に出し、1音節のものがいくつか重なるときには、優先順位が決まっています。例えば、よく使われる na と pa 、 po と ho 、そして ba の間では次のような順序になります。
 
〈述語〉
 +
na
 +
po
 +
 ba
 +
〈主語〉
 
 
pa
 
ho
 
 
 
 
 
Tapos na po ang parada.
パレードはもう終わりました。
Tapos na po ba ang parada?
パレードはもう終わりましたか。
Mura pa po ang mangga.
マンゴーはまだ安いです。
Mura pa po ba ang mangga?
マンゴーはまだ安いですか。
 
3)基本文1に小辞と人称代名詞が同時に現れる場合
 小辞が人称代名詞と同時に基本文1に現れることがよくあります。そのときの文中での順番は次のようになります。
 
ka
na
nga
din / rin
lang
daw / raw
po
ba
pala
ako
mo
pa
 
man
lamang
 
ho
 
naman
siya
ko
 
 
 
 
 
 
 
その他の2音節の小辞
その他の2音節の小辞
 
Anak ka ni Aling Irma.
→ 
Anak ka rin ni Aling Irma.
君はイルマさんの子供です。
 
君もまたイルマさんの子供です。
 
 
Anak ka rin daw ni Aling Irma.
 
 
君もまたイルマさんの子供だそうだね。
 
 
Anak ka rin nga raw ni Aling Irma.
 
 
君もまたイルマさんの子供だそうだね。
 
 
Anak ka rin nga raw pala ni Aling Irma.
 
 
あれ、君もまたイルマさんの子供だそうだね。
 
 
Anak ka rin daw ba ni Aling Irma?
 
 
君もまたイルマさんの子供だそうだね。
 
 na と pa が1つの文に同時に用いられることはありません。
 din と daw は、最後の音が母音で終わる単語が前に来ると rin , raw となる場合があります。 po と ho では、 po のほうが敬意の度合いが強いと言えます。