東京外国語大学言語モジュール

直説法過去未来(条件法)

   未来形と同じく,動詞に後置される人称代名詞の弱形(me, te, lhe, nos, o, a...)や再帰代名詞は不定詞にあたる部分と語尾の間に挿入されます.前述の弱代名詞の語形変化(o, os, a, as → lo, los, la, las)も同様です.
   lavar-me-ia   lavar-se-ia   amá-los-íamos  levantá-lo-ia
   (cf. não me lavaria,  não se lavaria,  não os amaríamos,  não o levantaria)
 
   過去未来形は過去のある時点を起点にして,それから後に起こるとみなされる事柄の表現に用いられます.過去から見た未来で,「...するであろうと...」という表現や過去の事柄に対する推量としての用法があります.また, 「...するであろうに」といった意味で事実に反したり,実現可能性が低い条件のもとで生じる事柄を表現する事があります.このことから過去未来形は条件法とも呼ばれ,一定の条件のもとでの実現可能性なので,命令や願望などを表現するときに,命令形や直説法現在に代えて,この時制を用いるとより丁寧な依頼,控えめな願望の表現になります.ポルトガルのポルトガル語では過去未来形は直説法半過去形に置き換えられます.
Mesmo assim, ele declarou convictamente que faria tudo outra vez.
(たとえそうであっても,彼はもう一度最初からやり直すであろうと確信を持って宣言した)
Disse que iria falar com o Daniel.
(ダニエルと話しに行くと彼は言った)
No seu íntimo, estaria o desejo de, mais uma vez, se desinstalar, indo para Marrocos anunciar o Evangelho e, eventualmente, ali sofrer o martírio.
(彼の内心では,もう一度居を引き払い,モロッコに福音を伝えに行き,ひょっとしたらそこで殉教の憂き目にあいたいという欲望が存在したかもしれない)
O Rei apareceu-me num sonho e disse-me que eu deveria fundar uma igreja e espalhar a boa nova.
(王が私の夢の中に現れ,私はある教会を建立し福音を広めなければならないと述べた)
Perante a situação actual, gostaria de voltar a pintar Timor?
(現在の状況を前にして,再びチモールを描きたいと思われますか?)