東京外国語大学言語モジュール

命令形

  辞書などではポルトガル語には伝統的に命令法と呼ばれる形式があります.ところが,この形は2人称(tu, vós)に対してしか存在しません.しかも,肯定の命令文にのみ用いられる形です.現代ポルトガル語では,2人称複数の主語代名詞や動詞の変化形は普通用いられません.これは聖書や古典的な文学作品などで用いられる古文調の形です.また,2人称単数のほうも,ポルトガルのポルトガル語で,親しい間柄に限って使われる形です.ブラジルのポルトガル語では,2人称単数の動詞の変化形は一部の地域を除いて使われません.現代ポルトガル語では,聞き手を表す表現は3人称の形を使うほうが普通です.2人称以外の人称や否定の命令文では対応する接続法現在の形が用いられます.接続法現在が不規則の動詞では命令形も不規則になるので注意して下さい.