複文の中で、主文の述語を修飾する節を連用節と呼びます。連用節と主文のつながり方には、「理由」・「譲歩」・「仮定」など、意味的・機能的にさまざまなものがあります。
一方、次の例のように、ひとつの文の中に対等な関係の節が並列しているものを重文と呼びます。
おじいさんは山へ芝刈りに行き、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
百瀬さんは欠席しましたが、池畑さんは出席しました。
並列しているそれぞれの文は、動作主が同じことも違うこともあります。
丸山さんは6時に起きますが、日景さんは8時に起きます。
青江さんは6時に起きて、8時の電車に乗りました。
ひとつの文の中の対等な関係とは言っても、人間の言語である以上、ふたつの節を同時に発するわけにはいかず、時間軸に沿って線状に述べていかなければなりません。この結果、どうしても、文を終える節と、何らかの関係でそこへつながる節とに分かれることになります。このうち、文を終える節を主節、主節につながる節を並列節と呼びます。日本語やモンゴル語のような語順の言語では、時間的に前半の部分にある節が並列節となります。並列節のつながり方には、「並列」・「累加」・「逆接」など、意味的・機能的にいくつかの種類があります。
モンゴル語の連用節と重文は、次の方法によって表されます。
まず、もっとも基本的な連用節は、動詞の副動詞形を使って表します。前の項で見たように、連用節と重文の並列節の述語を作るのは、副動詞形のもっとも基本的な機能です。
次に、副動詞形の数には限りがありますので、これを補充するものとして、現在のモンゴル語ではさらに発展的な連用の関係を表す形式が発達しています。これは主として、動詞の形動詞形を名詞節として使い、その名詞節にさまざまな格語尾や後置詞を後続させることで表現されます。
形動詞形による連体節や名詞節では、節の主語が主格以外の格をとることを学習しました。これと同じように、連用節においても、主格以外の格やそのほかの方法によって主語が示されることになります。これは、本来の副動詞形による連用節だけではなく、名詞節用法の形動詞形による二次的な連用節でも同じです。詳しくは個々の形式を学習するときに取り扱いますので、ここでは、そのような現象があることだけを理解しておいてください。なお、重文の場合は基本的にそのような現象はありません。
このモジュールでは、連用節と重文を意味的・機能的に分類したうえでステップごとに学習していきます。