1000~9999億9999万9999の表現
現代のモンゴル語では、1000より大きな数は西洋式に3桁ごとに区切ります。
すなわち、1000以上の数は、基数詞が存在する мянга 「千」・сая 「百万」・тэрбум (миллиард)「十億」を単位とし、「それらの単位がいくつずつあるか」を単位ごとに表現してそのまま並べたうえで、下3桁の数(=999以下の部分)を最後に付けて表します。
なお、これはあくまでもことばとしての構造、すなわち口に出して言うときの言い方であって、表記の方法はあとで述べるようにさまざまです。→【発音と正書法上の注意】
たとえば、387121047596(3871億2154万7596)という数は次のように区切ります。
3
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8
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7
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1
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2
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1
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5
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4
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7
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5
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9
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6
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тэрбум
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сая
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мянга
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387 121 547 596
=【387×тэрбум】+【121×сая】+【547×мянга】+【596】
上の例で示した下線部が、それぞれの【 】ごとの「単位がいくつあるかを示す数」ということになりますが、区切るのは3桁ごとですから、「単位がいくつあるかを示す数」は、以前に学習した0~999のいずれかです。このとき、単位である基数詞を修飾する形になりますので、それぞれの「単位がいくつあるかを示す数」の一の位(全体の一の位ではありません)は Н交代語幹となります。全体の数がいくら大きくても、すべて【3桁までの数×単位】の組み合わせで表しますので、3桁の数をどう表すかだけを考えればよいのです。
387 121 547 596
= гурван зуун наян долоон тэрбум
зуун хорин нэгэн сая
таван зуун дөчин долоон мянга
таван зуун ерэн зургаа
ただし、次の点に注意が必要です。
間の位に単位がない場合、その部分は何も表現しません。
83 000 000 045
= наян гурван тэрбум
дөчин тав
上位にほかの単位が存在せず、その単位から数が始まっている場合、нэг を省略することがあります。とくに、мянга の場合はむしろ省略されるのがふつうです。
1 200
= мянга
хоёр зуу
3 001 200
= гурван сая
нэг мянга
хоёр зуу
1 045 000
= сая дөчин таван мянга
ただし、нэг の省略は規範意識や個人の語感によるゆれが少なくありません。
その数全体が4桁以上で、下3桁(999以下の部分)が100~199のとき、100の位の部分を表す зуу は нэг зуу という形になることがあります。
65 134
= жаран таван мянга
нэг зуун гучин дөрөв
134
= зуун гучин дөрөв
名詞を修飾する場合の注意
4桁以上の数で名詞を修飾する場合も、3桁までの数と同じように一の位の基数詞がН交代語幹となります。
далан дөрвөн мянга хоёр зуун тавин таван төгрөг 74255トゥグルグ
ただし、上で見たように、4桁以上の数はあくまでも3桁ずつの組み合わせとなりますので、Н交代語幹になるかどうかは、下3桁の部分だけに注目し、以前に学習した3桁までの数でのルールをそのまま適用します。すなわち、次のような場合は、数全体としてはどれだけ大きくても、下3桁の部分はあくまでも нэг に過ぎませんので、Н交代語幹にはなりません。нэг のН交代語幹が現れるのは、81や721など3桁までの数の一部である場合に限られるからです。
хоёр мянга нэг хүүхэд 2001人の子ども
⇔ хоёр мянга арван нэгэн хүүхэд 2011人の子ども
1兆以上の数の表現
1兆以上の数は、триллион 「兆」を単位として同じように表現します。
88 100 673 233 381
= наян найман триллион
зуун тэрбум
зургаан зуун далан гурван сая
хоёр зуун гучин гурван мянга
гурван зуун наян нэг
なお、4桁で区切る日本語と3桁で区切るモンゴル語は9999億9999万9999までは単位がずれていますが、兆になるとゼロの数が3と4の最小公倍数である12個になりますので初めて一致します。
億
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万
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3
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8
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7
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1
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2
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1
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5
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4
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7
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5
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9
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6
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тэрбум
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сая
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мянга
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【発音と正書法上の注意】
大きな数を数字で書くか文字で書くかについて、正書法上の規定はとくにありませんが、おおむね、сая 以上の単位を書く場合には、単位の部分を文字で書くケースが多いようです。
88 100 673 233 381
= 88 триллион 100 тэрбум 673 сая 233.381
すべてを数字で書く場合、3桁ごとにスペースを入れたり区切り点を表記して読みやすいようにします。ただし、年代を表す場合には区切り点などを使わずそのまま表記するのが原則です。
使用する記号は、区切り点がピリオド( . )、小数点がコンマ( , )というヨーロッパ式が一般的で、その場合は日本式とは逆になりますので注意しましょう。
37.499,23 (ヨーロッパ式) = 37,499.23 (日本式)