東京外国語大学言語モジュール

102 : Ⅰ-는/-는語基式語幹式併記式

用言が体言を修飾する形を冠形詞形と言います。体言に連なる形なので連体形とも言います。Ⅰ-는/-는は冠形詞形を作る語尾の1つです。

 

Ⅰ-는/-는は動詞と存在詞に付いて,現在の動作(する,している)や状態(いる,ある)を表します。

 

動詞 母音語幹 가다(行く) 가는(行く~)
ㄹ語幹 놀다(遊ぶ) 노는(遊ぶ~)
子音語幹 먹다(食べる) 먹는(食べる~)
存在詞 있다(いる,ある) 있는(いる~,ある~)
없다(いない,ない) 없는(いない~,ない~)
(語基)Ⅰ-는。動詞のㄹ語幹の場合はㄹが脱落する。
(語幹)語幹に語尾-는を付ける。動詞のㄹ語幹の場合はㄹの脱落した語幹に語尾-는を付ける。

Ⅰ-는/-는はその事柄が既に確定しており,話し手はその事柄通りに描写することを含意します。例えば,下の(1)の부산에 가는 버스(釜山に行くバス)は,釜山に行くことが決まっているバスを指します。そのため,そのバスを描写する人は誰もが「부산에 가는 버스」と言うことができます。

(1)부산에 가는 버스(釜山に行くバス)
(2)교정에서 노는 아이들(校庭で遊ぶ子供たち)
(3)우리 가족이 매일 먹는 밥(うちの家族が毎日食べるご飯)
(4)한국어 수업이 있는 날(韓国語の授業がある日)
(5)사전에 없는 말(辞書に無い言葉)
(6)전혀 움직이지 않는 로봇(全く動かないロボット)
(7)아무도 안 쓰는 물건(誰も使わない物)

-고 있다/-고 있다,Ⅲ 어 있다/-어 있다の後にもⅠ-는/-는が付きます。

(8)집 앞에서 주인을 기다리고 있는 개(家の前で主人を待っている犬)
(9)벤치에 앉아 있는 연인들(ベンチに座っている恋人たち)

冠形詞形の後には依存名詞の것(こと,もの,の)がよく用いられます。

(10)아는 것과 모르는 것(知っていることと知らないこと)
(11)버리는 것은 그것이 아니라 이것입니다.(捨てるものはそれではなく,これです。)
(12)우는 것은 싫다.(泣くのは嫌だ。)

後に付く助詞によっては것を日本語で訳さないことがあります。例えば,助詞보다(より),처럼(ように)などです。

(13)야구는 하는 것보다 보는 것이 좋다.(野球はやるより見るのが好きだ。)
(14)그 강아지는 웃는 것처럼 보였다.(その子犬は笑っているように見えた。)