東京外国語大学言語モジュール

107 : Ⅲ-ㅆ던語基式語幹式併記式

Ⅰ-던(Step106)はⅢ-ㅆ-の後に付くこともあります。

 

했다(した) 했던(した~)

 

Ⅰ-던はその事柄が終了したところは見ていない,あるいは終了したことには関心が無いのに対し,Ⅲ-ㅆ던はその事柄が終了したところを見た,あるいは終了したことに関心がある,という含みがあります。

それを敷衍し,-ㅆ던は事柄が終了した後,その事柄を行う前の状態に戻っていることを含意します。

Ⅱ-ㄴ(Step103)はある動作を行い,その結果が今も残っている状態を表すものでした。Ⅱ-ㄴ-ㅆ던を比べてみましょう。

 

ㄱ. 한국에 간 사람(韓国に行った人)

ㄴ. 한국에 갔던 사람(韓国に行った人/行っていた人)

 

ㄱの「한국에 간 사람」は韓国に行って今ここにいない人を指します。

ㄴの「한국에 갔던 사람」は渡韓が終了し,帰国して今ここにいる人を指します。「韓国に行っていた人」と訳してもよいでしょう。

 

 

ㄷ. 졸업한 초등학교(卒業した小学校)

ㄹ. ?졸업했던 초등학교

 

 

「卒業した小学校」に当たる表現はㄷです。小学校を卒業した事実は何年たっても変わりませんので,Ⅱ-ㄴを用いた表現が適しています。

Ⅲ-ㅆ던を用いると卒業する前の状態に戻っていることを含意するのですが,一般的にはそのような状況は考えにくいため,ㄹは不自然な文です。

 

ㅁ. 결혼한 사람(結婚した人)

ㅂ. 결혼했던 사람(結婚していた人)

ㅅ. 결혼하던 사람(結婚式を挙げていた人)

 

ㅁの「결혼한 사람」は結婚した結果が残っている表現ですので,結婚して配偶者がいる人を指します。

ㅂの「결혼했던 사람」は結婚をしましたが,何らかに事情で配偶者と別れ,結婚する前の状態に戻った人を指します。

ㅅの「결혼하던 사람」は結婚式を挙げているところを見たことを含意する表現で,結婚式を挙げていた人を指します。