東京外国語大学言語モジュール

Step1 : Nがあります/います

これだけは覚えよう
1 「あります」は、ものの存在を表わします。
(1)木があります。
(2)本があります。
2 「います」は、生きものの存在を表わします。
(3)犬がいます。
(4)田中さんがいます。
3 「N」は存在するもの、生きものを表わし、「が」をつけます。
4 存在するかどうかをたずねるときは、動くことができる生きものの場合は「います」に、それ以外の場合は「あります」に「か」をつけます。(疑問文と「か」の働きについては、「終助詞Ⅰ」参照)
(5)A:ペンがありますか。
  B:はい、あります。
     /いいえ、ありません。
(6)A:山田さん、いますか。
  B:はい、います。
     /いいえ、いません。
5 存在するものや動物をたずねるときは「何」を、存在する人をたずねるときは「誰」を使います。
(7)A:何がありますか。
  B:ノートがあります。
6 否定には、「ありません」「いません」を使います。
7 過去について言うときには「ありました」「いました」「ありませんでした」「いませんでした」を使います。
 
 
肯定形
否定形
非過去
あります
ありません
過去
ありました
ありませんでした
非過去
います
いません
過去
いました
いませんでした
 
(8)A:誰がいましたか。
  B:田中さんがいました。
(9)A:誰がいましたか。
  B:誰もいませんでした。
8 「Nがありますか」の形で「Nがほしい」という要望を表わすことができます。
(10)(ものを借りたいとき)
   A:ペンがありますか。
   B:はい、どうぞ。
余裕があれば
9 できごとや行事を表わすNを用いて、「Nがあります」と言うと、できごとや行事があることを表わします。
(11)A:先生、来週漢字の試験がありますか。
   B:はい、あります。水曜日ですよ。
10 「います」で表わせるものは、生きもののほかに次のようなものがあります。
・生きもののように動きうるもの
 例:バス(エンジンがかかっているとき)、ロボット(作動しているとき)
・人間や動物によく似た形をしていて、感情移入できるもの
 例:人形