東京外国語大学言語モジュール

Vこと・Vの

これだけは覚えよう
1 一般に名詞は、「~V」の修飾を受けることができます(「V+N」参照)。ここでは、「~V」の修飾を受けてさまざまな働きをする「こと」「の」について簡単に説明します。
2 「こと」「の」は、「~V」を受けて、全体を名詞として機能させます。
(1)[外国語を勉強する{こと/の}]は楽しいです。
(2)[学生が優秀な{こと/の}]が田中先生の自慢です。
(3)[山田さんが合格した{こと/の}]をきょう知りました。
3 感情や評価などを表わす形容詞や名詞の「Nが/は」にあたる部分に用いる場合は、「~Vこと」「~Vの」のどちらも使うことができます。
(1)外国語を勉強する{こと/の}は楽しいです。
(2)学生が優秀な{こと/の}が田中先生の自慢です。
¶知覚や具体的な行為を表す動詞の「~を」に当たる部分には、「~Vの」が好まれます。
(4)田中さんが走っているのを見ました。
(5)山田さんが本を読んでいるのが聞こえます。
(6)木村さんが来るのを待ちます。
4 文の一部をくり出して「Nです」にする「~はNです」という構文では、「~は」の部分を「Vの」にするのがふつうです。
(7)ケーキを食べたのは山田さんです。 (山田さんがケーキを食べました。)
(8)きのう行ったのは京都です。 (きのう京都へ行きました。)
5 思考・伝達行為を表わす動詞の「~を」にあたる部分には「~Vこと」が好まれます。
(9)大学に進学することを勧めます。
(10)わたしはアメリカに留学することを考えています。
「もの」を表わす「の」
6 「の」を「(~する)もの」の代わりに使うことがあります。
(11)大きいのを1つください。      (大きいもの)
(12)お母さんが買ってきたのを食べました。 (お母さんが買ってきたもの)