東京外国語大学言語モジュール

Vたいです/Vたくありません

これだけは覚えよう
1 「Vたいです」(普通形「Vたい」)は、話し手がある行為をすることについての希望を表わします。
 
(Nは)
Ⅴたいです
Vたくありません
Vたくないです
 
(1)わたしは今度の休みに友だちと旅行したいです。
(2)今晩どこへも行きたくありません。
2 「Vたいです」は、「行きます→行き」のように「Vます」から「ます」をとった形、つまりVの連用形(→「普通形の体系」)に「たいです」をつけて作ります。
 
動詞
辞書形
Vたい
 
肯定
普通形
丁寧形
 
 
 
 
 
 
グループ1
買う
 かいたい
 かいたいです
待つ
 まちたい
 まちたいです
作る
 つくりたい
 つくりたいです
遊ぶ
 あそびたい
 あそびたいです
読む
 よみたい
 よみたいです
死ぬ
 しにたい
 しにたいです
書く
 かきたい
 かきたいです
行く
 いきたい
 いきたいです
泳ぐ
 およぎたい
 およぎたいです
話す
 はなしたい
 はなしたいです
グループ2
起きる
 おきたい
 おきたいです
食べる
 たべたい
 たべたいです
グループ3
来る
 きたい
 きたいです
する
 したい
 したいです
 
 
動詞
辞書形
Vたい
否定
普通形
丁寧形
否定形1
否定形2
 
 
 
 
 
 
グループ1
買う
 かいたくない
 かいたくありません
 かいたくないです
待つ
 まちたくない
 まちたくありません
 まちたくないです
作る
 つくりたくない
 つくりたくありません
 つくりたくないです
遊ぶ
 あそびたくない
 あそびたくありません
 あそびたくないです
読む
 よみたくない
 よみたくありません
 よみたくないです
死ぬ
 しにたくない
 しにたくありません
 しにたくないです
書く
 かきたくない
 かきたくありません
 かきたくないです
行く
 いきたくない
 いきたくありません
 いきたくないです
泳ぐ
 およぎたくない
 およぎたくありません
 およぎたくないです
話す
 はなしたくない
 はなしたくありません
 はなしたくないです
グループ2
起きる
 おきたくない
 おきたくありません
 おきたくないです
食べる
 たべたくない
 たべたくありません
 たべたくないです
グループ3
来る
 きたくない
 きたくありません
 きたくないです
する
 したくない
 したくありません
 したくないです
 
3 「Vたいです」の否定形の作り方は、イ形容詞と同じです。
 
辞書形
丁寧形
肯定形
否定形
否定形1
否定形2
Vたいです
Vたくありません
Vたくないです
 
4 疑問文では希望の持ち主(N)は聞き手になります。
(3)A:将来、何になりたいですか。
  B:日本語の先生になりたいです。
(4)A:どんな音楽を聞きたいですか。
  B:日本の音楽を聞きたいです。
5 「Nは」は、省略することができます。
(2)今晩どこへも行きたくありません。
(3)A:将来、何になりたいですか。
  B:日本語の先生になりたいです。
(4)A:どんな音楽を聞きたいですか。
  B:日本の音楽を聞きたいです。
6 直接的、生理的欲求などの場合、対象を示す「を」は「が」に代わることがあります。
(5)(暑い日に、走ったあとで)水が飲みたいです。
(6)A:何が食べたいですか。
  B:そうですね、サンドイッチが食べたいです。
7 「Vたいんですが」を使って、婉曲的に要望を表わしたり、許可を求めたりすることができます。
(7)A:すみません、山田先生と話したいんですが。
  B:はい、ちょっと待ってください。
(8)A:先生、お手洗いに行きたいんですが。
  B:はい、いいですよ。
8 あまり親しくない相手や敬意を表わすべき相手に対して要望を聞くとき、「~たいですか」は使えません。
例:×先生、飲み会に行きたいですか。
9 願望の対象がもののときは、「Nがほしいです」を使います。(「Nがほしいです/Nがほしくありません」を見てください)
例:わたしは車がほしいです。
10 「Vたいです」は2人称や3人称の人の願望を表現することはできません。また、「Vたいです」は直接的な欲求表現で、相手や状況によっては使えないので、注意が必要です。
(2)’×田中さんは今晩どこへも行きたくないです。
¶なお、「Vたがる」という動詞を用いることで、第三者の希望を表わすことができます。
(9)山田さんは旅行したがっています。
¶これらの動詞には、「そういうことをしたいと思う気持ちが態度に現れてみっともない」という批難の気持ちを帯びるので、注意が必要です。