東京外国語大学言語モジュール

助詞とは

これだけは覚えよう
1 これまで勉強してきたように、動詞や形容詞が名詞をしたがえて文を作るときには、名詞に「が」「を」「に」などがついて動詞・形容詞との意味関係を示します。また、名詞と名詞の意味関係を示すときにも、1番目の名詞に「の」「と」などがつきます。この、「が」「を」「に」「の」「と」などのことを「助詞particle」と呼びます。
2 助詞は、単独では文中に現れることができず、必ず他の語(名詞・動詞・形容詞など)に付属して現れます。そして、その助詞をしたがえている名詞や動詞にある意味を付け加えたり、語と語の文法的な関係を表示したりします。上の「が」「を」「に」など以外にも、日本語にはさまざまな助詞があります。
3 現代日本語の助詞は、その働きによって、4種類に分けるのがふつうです。それぞれの助詞について、「格助詞」以下で少しくわしく見ていきます。
 ① 格助詞(case particle)
  主に名詞について、その名詞と他の語(他の名詞、あるいは、動詞・形容詞)との
  意味関係を示します。
   (1)庭の花
   (2)山田さんと田中さん
   (3)机の上に本があります。
   (4)本を読みます。
   (5)10時から授業を始めます。
 ② 接続助詞
  従属節の述語となっている動詞・形容詞・名詞について、主節との意味関係を示し
  ます。くわしくは、「Vて(て形) 」、「AくてA・NAでNA・NでN」~「VてVます」、「理     由」~「譲歩」を見てください。
   (6)朝起きて顔を洗います。
   (7)春になると暖かくなります。
   (8)雨が降ったら運動会は休みです。
 ③ 副助詞(取り立て助詞、取り立て詞)
  さまざまな語について、特別な意味を付け加えます。
   (9)この本は読みました。
   (10)この本も読みました。
   (11)この本だけ読みました。
   (12)この本ばかり読みました。
   (13)この本まで読みました。
   (14)この本など読みました。
 ④ 終助詞(sentence-final particle)
  主に文末に現れ、話し手から聞き手への伝達に伴う態度などを表わします。
   (15)あしたは日曜日ですか。
   (16)あしたは日曜日ですよ。
   (17)あしたは日曜日ですね。
余裕があれば
4 助詞は、いくつも重ねて用いられることがあります。
(18)あなた に だけ は 話しましょう。
(19)きょうのテストは3時からです よ ね。