東京外国語大学言語モジュール

N1はN2がAい/NAです

これだけは覚えよう
1「N2がAい/NAです」はN1についての説明です。
 
 
(1)田中さんは髪が長いです。
(2)田中さんは背が高いです。
(3)中山さんは力が強いです。
(4)うちの猫は目がきれいです。
(5)わたしはきのうからのどが痛いです。
2 N1の性質や特徴を述べるときに使います。
3 N2はN1の一部分や持ち物、N1の一側面、N2について述べられるべき領域などです。
(8)この町は道が狭いです。
(9)この絵は色がきれいです。
4 じょうず、へた、得意なども、このタイプの文で使います。
(10)田中さんはバスケットボールがじょうずです。
(11)わたしは歌がへたです。
(12)わたしはピアノが得意です。
(12)’ ×わたしはピアノがじょうずです。
¶ ただし、「じょうず」は話し手自身のことに関してはふつう使いません。話し手自身が自分の能力・特技を自慢しているように聞こえる★ことがある★からです。話し手自身のことについて言うときには、「じょうず」の代わりに「得意」を使います。
5 N1が何であるかわかっている場合は、「N1は」を省略することがあります。
(6)A:頭が痛いですか。
  B:いいえ、痛くないです。
(7)A:田中さん、だいじょうぶですか。
   B:ちょっと気分が悪いです。
余裕があれば
6 「N1はN2がAい/NAです」と「N1のN2はAい/NAです」は、ほぼ同じ意味を表す場合がありますが、主題と用法に違いがあります。
 
 
「N1はN2がAい/NAです」
「N1のN2はAい/NAです」
主題
用法
N1
N1の特徴を述べる
N1のN2
N2の特徴を述べる
 
(1)田中さんは髪が長いです。
(1)’田中さんの髪は長いです。
7 「N1はN2がAい/NAです」の構文には、次のようなものもあります。
(13)辞書は○○堂がいいです。(○○堂の辞書はいいです。)
¶この場合は、「 N 2の N1 A い/ NA です」に意味が近いです。
8 「N2がVます/Nです」によって、N1についてくわしく述べる文もあります。
(14)山田さんは、お父さんがよく働きます。
(15)山田さんは、お父さんが医者です。