【3】meN- 他動詞に対応した ter- 派生語
接頭辞 ter- 1つの働きとして、動作対象(被動作主)を主語として「~してしまう,~してしまっている」「~することができる」「無意識に~する」「~し切る」といった意味の ter- 派生語を作ります。
動作対象(被動作主)を主語とするものとして、他動詞の di- 形としばしば比べられます。他動詞の di- 形が「動作」に着目していると考えられるのに対し、ter- 派生語はその動作による「結果」あるいは「状態」に着目しているといえます。
terbawa 「持っていかれる」 (語幹:bawa > membawa「運ぶ,手に持っている」)
terbuka 「開かれている,公開の」 (語幹:buka「開いている」> membuka「開ける」)
terbaca 「読める」 (語幹:baca, membaca「読む」)
terjual 「売り切れる」 (語幹:jual > menjual「売る」)
tidak terhitung 「数え切れない」 (語幹:hitung > menghitung「数える」)
※ いくつかの語については、接頭辞 ter- だけでなく 接尾辞 -kan や 接尾辞 -i を伴うものがあります。
terpikir, terpikirkan 「思いつく,考えられている」 (語幹:pikir, memikirkan「~を考える」)
tercerminkan 「反映されている」 (語幹:cermin「鏡」)
terpengaruh, terpengaruhi 「影響を受けている」 (語幹:pengaruh「影響」)
tidak terobati 「治療し切れない」 (語幹:obat「薬」)
※ 以下の ter- 派生語は、前置詞的に用いられることが多くあります。
termasuk 「1.含まれている;2.~を含めて」 (語幹:masuk「入る」)
terhadap 「~に対して」 (語幹:hadap > menghadapi「~に直面する」)