東京外国語大学言語モジュール

接尾辞 -kan (5): 感情を表す形容詞を基語とする meN--kan派生語

 感情を表す形容詞を基語とするmeN--kan 派生語は、基本的に《使役的》な用法となり、主語が「~(基語)の気持ちを起こさせる」といった意味になります。
 例えば「私は悲しい」という場合は、主語「私」が悲しいという感情を持つので sedih「悲しい」を用いますが、「この物語は悲しい」という場合には、主語「この物語」は「(人を)悲しいという感情にさせる」ということですから、menyedihkan「(~を)悲しませる」を用います。
 感情を表す形容詞を基語とするmeN--kan 派生語は、本来は他動詞なのですが、しばしば目的語である《動作対象》を述べずに文を終わらせることがあります。