東京外国語大学言語モジュール

質・量・様態の限定表現

名詞的な形容詞を持つ言語では,名詞と形容詞が性,数あるいは格によって一致したり,形容詞を述語にするときに,名詞述語の場合と同様にコピュラ「繋辞(けいじ)」を必要としたりします。動詞的な形容詞を持つ言語では,形容詞が動詞と同じく単独で述語になれ,また形容詞を否定する場合に,動詞と同じ否定辞を用いたりします。
日本語の場合は,形容詞は動詞と同じように活用形を持ち,そのまま述語になれますから,動詞的(用言)と言うことができますが,その活用形は動詞とは異なるので,独立した品詞と考えられます。一方,「静かだ」などの,いわゆる形容動詞は名詞(体言)から派生した形容詞(「形容名詞」とでも呼びましょうか?)とも考えられます。