東京外国語大学言語モジュール

言語の普遍性と文法

もちろん例外として,手話のように音声を伴わない言語もあります。また,中国語などの孤立語について「文法がない」という俗説もありますが,これは文法を単語の活用パラダイムという「形態変化」として捉える西洋の伝統的な見方によるものです。
単語をどう並べるか,という「語順」は,中国語を始めとする多くの言語で,文法の大きな部分を占めています。
単語の並べ方が完全に自由な言語は存在しないし,一見完全に自由な語順を持つように見える言語であっても,語構成(単語より小さい「語基」と「接辞」の組み合わせ)のレベルでの「形態素」の配列順は固定的です。また一般に自由語順に見える言語でも,実は語順によって意味のニュアンスを表現していることが多いのです。