東京外国語大学言語モジュール

074: 助動詞構文のまとめ

 ステップ33「助動詞のあるドイツ語文を作る手順」とステップ49「完了形と助動詞の組み合わせ」それにステップ70「受動態と助動詞」の復習も兼ねて,少し複雑な日本語からドイツ語の文を作る手順を確認しておきましょう。
例1:そのお金は盗まれたに違いない。
 
手順1:
日本語の動詞の部分を分解する。
 
 
そのお金は 盗まれ (受動態) た (完了形) に違いない (話法の助動詞)
 
手順2:
日本語と同じ順序に動詞と助動詞を組み合わせる。
 
das Geld
gestohlen
werden 「盗まれ」
 
 
(受動の werden の過去分詞は worden)
 
 
das Geld
gestohlen
worden sein 「盗まれた」
 
 
 
 
das Geld
gestohlen
worden sein müssen 「盗まれたに違いない」
 
手順3:
右端にある助動詞を主語に合わせて人称変化させて前から2番目に移す。
 
 
das Geld
gestohlen
worden sein
müssen
 
 
 
  ┌──────────┘
 
Das Geld
muss  gestohlen worden sein.
 このように,(a) 不定形+話法・未来の助動詞,(b) 過去分詞 + haben/sein = 完了形,(c) 過去分詞+ werden/sein = 受動態という個々のパーツをしっかり押さえておき,それらの組み合わせを日本語と関連付けて考えれば,一見複雑な助動詞構文もすっきり理解できます。