東京外国語大学言語モジュール

066: 比較級と最上級の用法 (3) ― 副詞的用法

 ドイツ語ではほとんどの形容詞を副詞としても使えますが,元々副詞で比較変化をする基本単語は gern (好んで),bald (まもなく) それと sehr (とても) ぐらいです。
 
gern  (好んで)
lieber
am liebsten
bald  (じきに)
eher
am ehesten
sehr  (とても)
mehr
am meisten
 いずれも原級と比較級・最上級の形がかけ離れています。意味と用法についても,これらの比較級と最上級は必ずしも原級と関連付ける必要はなく,lieber なら最初から「~する方がよい」,eher ならば「むしろ」や「どちらかと言えば」と考える方が簡単です。また mehr は viel の比較級と同じ形ですが,いずれにしても「原級はなんだったか」などと考えなくても,辞書を見れば mehr という見出し語で出ているので問題はありません。
 
(7)
Geh lieber gleich zum Arzt! すぐ医者に行った方がいいよ!
 
(8)
Eher will ich sterben als ihn heiraten. 彼と結婚するくらいならむしろ死んでしまいたい。
 
(9)
Sie sollten sich mehr schonen. あなたはもっと自分をいたわるべきでしょう。