1. 否定語の使い分け
否定語 muu, laa, maa は以下のような基準で使い分けられています。
<muu + 動詞以外の述語> 「~じゃない」
<laa + 2人称の動詞現在形> 「~しない」 (「禁止形・命令形」のStep参照)
<laa / maa + 動詞> 「~するな」
動詞はありませんが、<fii ~ >「~がある」、<ʕand / maʕ -接尾代名詞 ~ >「~を持っている」, <bədd-接尾代名詞>「~が欲しい」なども否定に maa が使われます。
2. 「(接尾代名詞)は~じゃない」
動詞のない文を否定するときは<主語+muu+述語>を使いますが、主語が接尾代名詞のときは<maal-接尾代名詞+述語 >と言うこともできます。maal- には maan- や mann- などのバリエーションもあるので、例文のページで確認してください。
مالي رايحة.=أنا مو رايحة.
((女性が)私は行きません。)
[maal-i raayħa]
مالها بالبيت.=هِي مو بالبيت.
(彼女は家にいません。)
[maal-a bəl-beet]
<maal-接尾代名詞>には「~じゃない」という意味ではなく、<maa+ʔəl-接尾代名詞>「(接尾代名詞)には~がない」という意味になるものもあります。
ما إله حقّ. = ماله حقّ.
(彼には正当性がない。)
[maal ʔəl-o ħaʔʔ = maal-o ħaʔʔ]
أنا بالبيت مالي كلمة على مرتي.
おれ、うちではカミさんに何も言えないんだ。
ʔana bəl-beet maal-i kəlme ʕala mart-i
(
会話モジュール38「要求する」)
3. 否定疑問文
否定文の文末のイントネーションを上げると、否定疑問文になります。
مالك متجوّز؟
(貴男は結婚していないんですか。)
[maal-ak mədʒawwez]
答えが「はい」なら مبلى mbala を、「いいえ」なら لأ laʔ を使います。
مبلى، أنا متجوّز.
(いいえ、結婚していますよ。)
[mbala, ʔana mədʒawwez]
لأ، أنا مالي متجوّز.
(はい、まだ結婚していないんです。)
[laʔ, ʔana maal-i mədʒawwez]
否定疑問文に mbala と laʔ だけで適切に答えるのはなかなか難しいものです。ミス・コミニケーションのもとにもなりかねませんので、mbala と laʔ だけでなく、「結婚している/していない」のように、後に大切な情報を続けて言ったほうが安全です。