東京外国語大学言語モジュール

bita:9

(1)「〜の」を表す単語として betaa9 があります。
[B]+[A]とほぼ同じ使い方をします。ただし、betaa9 を使えるのは、名詞[B]が「定」のときです。すなわち[B]+ l-[A]と同じです。
多くの場合、相互に言い換えても文脈に合います。

el-baab betaa9 el-beet = baab el-beet「家の戸」

不定の場合はbetaa9を使うことができません。
baab beet ×baab betaa9 beet

(2) 名詞[B] のない使い方
betaa9 は「〜のもの」のように、名詞[B]のない使い方もできます。
da btaa9 es-sett.「これはその婦人のです」

(3) 名詞[B] の性数
名詞[B] の性数によって、betaa9 は3つの形があります。
名詞[B]が +子音始まりの接尾代名詞 +定冠詞
男性 betaa9 beta9-ha betaa9 el-
女性 betaa9et beta9et-ha beta9t el-
複数 betuu9 beto9-ha betuu9 el-

子音で始まる接尾代名詞が付くと、それぞれの長母音が短くなります。(CVVC という音節構造は語末以外では許されないため)
このような接尾代名詞は、-na, -ko, -ha, -hom です。

betaa9et は続く名詞に定冠詞があると beta9t となります。
 betaa9et + el- → beta9 tel