東京外国語大学言語モジュール

仮定文(現在の事実に即した仮定)

   「~したら~する」という,実現可能であると話し手がみなす内容の表現です.条件節の部分には,ポルトガル語では接続法未来形を用いるのが普通です.帰結の部分には直説法現在形やir +不定詞,直説法未来形などが用いられます.この場合,もっとも現実的な度合いが高いのは,直説法現在形です.
Se o comércio não reagir, nós falimos.
(商売がうまく行かなかったら,我々は倒産だ)
Quando o tempo estiver bom, vamos passear.
(天気がいい時に散歩に行きましょう)
   口語的表現では条件節の表現に接続法未来の代わりに直説法現在が用いられることもあります.SeやQuandoで導かれる条件節に,接続法現在形が現れることはありません.
   しかし,直説法現在が用いられるものには,対比や強調の意味合いで用いられているものもあり,これらは厳密には仮定表現とは言えません.
Se eu sou como sou, é porque sou assim mesmo.
(私があるようにあるのは,それはなぜなら私はまさにそのようであるからだ)
Se eu ficava em casa, lá aparecia ele. Se eu ia a casa do Mesquita, lá ia ele.
(もし私が家にいると,そこに彼は現れたものだった.もし私がメスキタの家に行くと,そこに彼は行ったものだった(過去の習慣的事実))
   接続詞にcaso「~した場合に」が用いられる場合は接続法現在が用いられます.この文脈では接続法未来は用いられません.文体はやや堅苦しいものになります.
Caso se confirme o encerramento, os pediatras do hospital de Ovar serão transferidos para o Hospital de São Sebastião.
(閉鎖が確認された場合,オバール病院の小児科医はサンセバスチャン病院に移籍することになるだろう)
Caso exista um número suficiente de candidatos, os exames poderão realizar-se nas Sedes Regionais da Ordem.
(十分な数の候補者が存在する場合,試験はその団体の地域支部で行なわれることが出来るだろう)