5.7. f, v
 fは無声唇歯摩擦音[f]で、vは有声唇歯摩擦音[v]あるいは有声唇歯接近音[ʋ]で実現します。音素はそれぞれ/f/と/v/になります。
 vが有声唇歯摩擦音[v]で実現する音環境は、語中におけるşあるいはtの直後かつ音節頭といった環境です。それ以外の音環境では基本的に有声唇歯接近音[ʋ]で実現します。ただし、mの直前すなわち(C)V₁vmV₂(C)といった環境におけるvはしばしば脱落し、vの直前の母音V₁の長さを若干長音化させる場合があります。また語中でzあるいはrの直後では、[ʋ]と[v]の間にゆれが生じるようです。
 なお、有声唇歯接近音[ʋ]が実現する環境では、自由異音として有声両唇軟口蓋接近音[w]で実現する場合があります(ここでの音声は[v]を明瞭に調音しています)。
 fark, kafa, teftiş, tef
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 vatan, vücüt, sınav, ödev
vatan, vücüt, sınav, ödev 
 
 teşvik, cetvel
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 kovan, savan
kovan, savan 
 
 kovmak, sevmek
kovmak, sevmek 
 
 af, av, kafa, kaval
af, av, kafa, kaval