所有の表現と所有形容詞
「誰々の何々」というような所有の表現は,前置詞の de を使って表します.
(1a)¿De quién son estos zapatos? — Son de mi marido.
(この靴はどなたのですか? - 私の夫のです.)
所有形容詞でも所有の関係を表現できます.所有形容詞は,修飾する名詞と性・数が一致します.
(2a)Éstos son mis zapatos.
(これが私の靴だ.)
所有形容詞の性・数は持ち主と一致するのではありませんので注意してください.よくある間違いは,
su libro 「彼の本」だから,→ sus libros 「彼らの本」!?
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3人称の su は「彼の・彼女の・あなたの」,sus は「彼らの・彼女らの・あなたがたの」を表す.
と思ってしまうことです.sus という複数形になるのは,名詞の複数形を修飾しているときだけで,持ち主の人数とは無関係です.持ち主である誰かさんが単数なのか複数なのかはその場の状況に応じて判断してください.
後置形を使うと,例えば次のような意味の違いを表現できます.
Gustavo es mi hermano. (グスタボは私の兄弟だ.)
Gustavo es un hermano mío. (グスタボは私の兄弟だ.)
日本語訳は同じになってしまいますが,最初の前置形を使った文では,グスタボは私の1人しかいない兄(または弟)だ,という意味になります.下の後置形を使った例では,私には兄弟が何人かいて,グスタボはそのうちの1人である,という意味です.
次の例文も同じような使い方です.
(3a)¿Quién es esa chica? ¿Tu novia? — No, es una amiga mía.
(その女の子は誰?君の彼女かい? - 違うよ,友達だよ.)
この例文で una amiga mía というのは他にも何人かいる友達の中の1人,ということです.
3人称の後置形 suyo は,意味的には
de él / de ella / de usted
de ellos / de ellas / de ustedes
のどれかに対応するはずです.そこで,このような de+代名詞を使って,持ち主が3人称のどの代名詞に対応するのかをはっきり示すことができます.
(4a)¿Esta bici es de Pedro? — Sí, es suya. (⇒Sí, es de él).
(この自転車はペドロの? - そうだよ,彼のだよ.)